2012年4月27日金曜日

忍び寄る世界大恐慌 〜「4月危機説」に現実味〜 - 暗黒夜考〜崩壊しつつある日本を考える〜


(転載開始)

◆Page 1180「4月危機説に現実味」
 2012年4月11日 「豊島逸夫の手帖」

本欄4月2日づけ「4月危機説の根拠」に書いたシナリオが現実化してきた。

昨晩のニューヨーク株式市場は今年最大の下げ。

スペインの雨がニューヨークに降った、とは某市場関係者の呟き。ミュージカル「マイ・フェア・レディー」のなかで、花売り娘イライザが言語学者ヒギンズからキングズ・イングリッシュの猛特訓を受けたときの言葉、
The rain in Spain stays mainly in the plain.
「スペインの雨は、おもに平野に降る。」
にひっかけたもの。

スペイン10年もの国債の利回りは、警戒水域6%台に急接近中。

昨晩は、スペイン中銀総裁オルドネス氏が「スペイン商業銀行への資本増強の必要性」について言及したことも、市場の不安感を煽る結果に。

というのは、欧州経済危機の中でのスペインの特徴は、三大銀行の資産総額がGDPの200%に匹敵する規模であること。その銀行株が、この1年で40%以上下落している。

この規模の金融機関への公的資金投入となると、カネはどこから出るかといえば、最後はドイツ頼み。

ギリシャ、ポルトガル、アイルランドの場合は「周辺国」扱いであったが、スペインとなると欧州内コアの国である。

スペイン、イタリアへの危機延焼を防ぐ「防火壁」たるEFSF、そしてEMSは、一夜にして構築できる話ではない。果たして間に合うのか。


ミリアンペアになる方法

シトシト降るスペインの雨の集中豪雨化を市場は憂う。

VIX(恐怖指数)も急騰。3月7日以来の20突破。

米国債10年ものも利回り2%を割り込み、1.988%と、これも3月7日以来の低水準。

金価格は急騰して、当面の相場の頭とされた1650ドルをあっさり突破。本稿執筆時点(日本時間4月11日朝7時)では、1660ドルで推移している。

NY時間の正午を挟んで、VIXが安値18.62から、一気に21.06まで急騰。それに反応して、金価格も安値1635ドルから、一気に1664ドルまで急騰している。明らかにコンピューター・プログラムが即、反応。買いのシグナルが発動されたことが窺える。
絵に描いたような「安全性への逃避」現象であった。

さて、件の四月危機だが、想定通り、震源は欧州。
第一幕はスペイン。

そして4月22日にはフランス大統領選挙。現職サルコジ氏と対抗馬オランド氏が接戦を演じている。オランド氏は反メルケルを全面に掲げ、フランス国民の漠とした「ドイツ主導からドイツ支配」への警戒感に訴える。欧州危機救済側の独仏枢軸に亀裂が入れば、そこで第二幕。

続く第三幕が、5月7日まで繰り広げられるギリシャ総選挙。「EUの緊縮押し付け」拒否をマニフェストに掲げる野党の人気が急上昇中。

彼らも参加型の新政権となれば、レーム・ダックの現首相が合意した第二次ギリシャ救済案は、振出しに戻る可能性もちらつく。


ポリシーとプロシージャを記述する方法

最新のアテネ情報で印象的な出来事は「ゴミ箱をあさるより尊厳死を選ぶ」と叫び焼身自殺した一市民の悲劇。第二次救済で合意された緊縮強化が実行できるはずもない。最低賃金2割カットと言われても、月500ユーロ(約5万円)では暮らせない。アテネのスーパーマーケットに買い物に行ったとき、レジの傍に、「購入した袋入りの野菜の一部をこのカートに」という市民救済運動に遭遇したことを思い出す。

そして、4月危機のもう一つの震源地がFRB。

雇用統計ショックから抜け切れないニューヨーク市場からは、「バーナンキさん、手遅れにならないうちに、なんとか言って! QE3のQの字だけでもいいから!」と、悲痛な叫びが聞こえてくる。

果たしてバーナンキ・プット(株が下がればバーナンキが量的緩和で下支えしてくれる、という意味で実質的な株価プット・オプション同様の効果を持つこと)は、未だ生きているのか。

市場のおねだりをFRBが受け入れれば、欧州の「防火壁」構築完成に優るとも劣らぬ効果が発揮されることになろうが・・・。

(転載終了)


ここ暫く一服していた「欧州危機」が最近になって再び騒がれはじめ、"お約束"のとおり、為替相場も再び円高ドル安方向に振れ、NYやアジア各国の株式市場も軒並み"八百長"的に下がり始めている。


[米国のどのように多くの社長がthrereです。 ]

今後の政治・経済イベントとしては、上記の記事中にあるように、スペインの行く末(ソブリンリスク)、フランス大統領選(今年は世界主要国すべて同様)、そしてまたまたギリシャ救済と共に、アメリカの「QE3」、所謂FRBによる更なるドル札の刷り散らかしなどが挙げられ、これらが相場下落を主導することであろう。

しかしながら、これらはあくまで「欧州危機」「アメリカデフォルト」をもっともらしくアピールするための"市民洗脳ツール"であり、今、叫ばれている「世界同時不況」の"本質"でも何でもない、ただのシナリオ(脚本)である。

以前のエントリーにて何度もコメントしてきたように、「ギリシャ危機」に端を発した「欧州危機」、更には「世界同時不況」などは、国際金融資本(ユダ金)により過度に誇張された"虚構"である。

1900年台前半に起きた「世界恐慌」で何が起きたかと言えば、"意図的"に毀損させられた一般市民の保有する資産を"タダ同然"の金額にて一握りのエスタブリッシュメント(特権階級)が買い漁ることによって"焼け太り"し、後の政界・財界を牛耳るという今の世の中である。

即ち、欧州を中心とする王族(日本の天皇家も含む)や国際金融資本(ユダ金)らが、システムとして完全に行き詰った「資本主義」を捨て、新たな"オーダー(世界秩序)""支配体制"を構築するべく、この手の「世界恐慌劇」が"意図的"に引き起こされるということである。


今回の「欧州危機危機」はやがて"本丸"たる"借金大王"アメリカに伝播し、その火種は当然に日本をはじめとする世界各国に延焼することであろう。

それはすべてを焼け野原にして一から再建するという、まさに「焦土作戦」さながらであり、その後、完全にシステム崩壊した「資本主義」に変わるシステムとして新たな"オーダー(世界秩序)""支配体制"が構築されるであろう。

どのような世の中に変貌するのかは正直わからないが、想像するに「監視社会化」が徹底され、「暗黒の中世」の再現が如く一般市民を強制統治するような真っ暗な世の中となるであろう。


※参考「【注目記事】 森永卓郎氏が「欧州危機は"国際金融資本"が作ったインチキ」であることを明言」



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